【GOLD】有事の金は終わったのか?(2026.4.10)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2026-04-10
ページ制作日: 2026-04-10

「世界の喉元」とも呼ばれるホルムズ海峡
世界のエネルギー供給における「喉元」とも呼ばれるホルムズ海峡。地図で見ると、まるでブーメランのように急激に折れ曲がった、非常に特徴的な地形をしています。
なぜこれほどまでに狭く、そして独特な形をしているのか。その背景には、数千万年という壮大な時間のなかで繰り広げられた「地球の押し合い」と「塩の魔法」が隠されています。
1. プレートの衝突が生んだ「狭窄部」
ホルムズ海峡の地形を決定づけている最大の要因は、アラビアプレートとユーラシアプレートの衝突です。アラビアプレートは現在も年間数センチの速さで北東方向へ移動しており、イラン側のユーラシアプレートを押し上げています。
この巨大な圧力が、イラン沿岸部にそびえる「ザグロス山脈」を作り上げました。海峡が「V字」に折れ曲がっているのは、このプレートの押し込みによって、
アラビア半島の先端(オマーンのムサンダム半島)が、ちょうどイラン側の懐に深く突き刺さるような形になったためです。
2. 「塩のドーム」が作る天然の障害物
ホルムズ海峡周辺の島々(ホルムズ島、ケシュム島など)を詳しく見ると、さらに奇妙なことがわかります。実は、このエリアには「塩の透入(ソルト・ダイアピル)」と呼ばれる現象が多く見られます。
数億年前、この地域は巨大な蒸発岩の層(塩の層)に覆われていました。その上に新しい地層が積み重なりましたが、
塩は岩石よりも密度が低く柔らかいため、プレート運動の圧力を受けると「歯磨き粉」のように地表へ向かってムクムクと盛り上がってきます。これが海上で顔を出したのがホルムズ島などの島々です。
これらの島々が海峡の中に点在していることで、航路はさらに複雑で狭いものになっています。
3. かつては「川の流れる谷」だった
驚くべきことに、氷河期(約2万年前)にはホルムズ海峡に海はありませんでした。当時は海面が現在より120メートルほど低く、ペルシャ湾全体が広大な陸地だったのです。
現在の海峡部分は、チグリス・ユーフラテス川などが合流して海へ注ぐための「深い谷間」でした。その後、氷河が溶けて海面が上昇したことで、その谷間に一気に海水が流れ込み、現在の「海峡」という形が完成しました。
偶然が生んだ「戦略的要衝」
もしプレートの動く方向が数度違っていたら、あるいは地下に巨大な塩の層がなかったら、ホルムズ海峡はこれほどまでに航行が困難で、かつ戦略的な価値を持つ場所にはなっていなかったでしょう。
現在の原油価格や国際情勢を左右するこの海峡の「狭さ」は、地球が何千万年もかけて作り上げた、まさに地質学的な偶然の産物なのです。
ホルムズ海峡のニュースを見る際は、その背景にある巨大なプレートの動きに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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有事の金
「有事の金(=地政学リスクが高まると金が上がる)」が、現在あまり機能していないように見える理由は、いくつかの構造的な変化が重なっているためです。
単純に「有事=金買い」ではなく、資金の逃避先が多様化しているのが本質です。
NY金

国内金

2月28日は土曜日であり価格に反応したのが3月2日でした。国内価格は2日の日中取引終了後の夜間取引直後の高値が28,420円です。そこから価格は下げており、有事で反応したのは1日のみとなります。
それではその理由は何なのでしょうか?
昔は有事の金買いと言っていたのにと思う方も多いかと思います。
① 最大の要因:ドルが“最強の安全資産”になっている
従来は有事になると金に資金が流入していましたが、現在はそれ以上に
●米ドル
●米国債
に資金が集中しています。
これは
☆世界の決済通貨がドルである
☆有事の際は流動性(現金化のしやすさ)が最優先される
ためです。
👉 結果
「金よりドルを持つ」という動きが強くなり、金の上昇が抑えられる
② 金利上昇が金に逆風
金は利息を生まない資産です。
そのため、
●米金利上昇
●実質金利の上昇
が起きると
☆債券の方が魅力的になる
☆金は相対的に売られる
特に今のように
☆インフレ懸念
☆原油高
→ 金利上昇
という流れでは
「有事でも金が売られる」現象が起きやすい
③ “有事慣れ”と織り込みの早さ
現在の市場は
中東情勢・ウクライナ問題・米中対立など、常にリスクを抱えています。
そのため
👉 新しいニュースが出ても「すでに織り込み済み」になりやすい
結果として、昔ほど“パニック的な金買い”が起きない
④ 原油→インフレ→金利上昇→金下落 の逆回転
有事が起きると本来は金にプラスですが、現在は
①有事 → 原油上昇
②インフレ懸念
③金利上昇
④金下落
という「逆ルート」が発動しやすい構造です。
👉 これが今の市場の最大の特徴です
⑤ 投機資金の短期志向(アルゴリズム化)
現在の市場は
・CTA(商品投資顧問)
・アルゴ取引
・高頻度取引
が主導しています。
そのため
👉 長期テーマより「金利・ドル」に即反応
結果
地政学リスクよりも金利・為替が優先される
⑥ ETF資金の流出入が価格を左右
金は現物よりも
・金ETF
の影響が非常に大きくなっています。
リスク時でも
👉 ETFから資金流出(換金)
👉 金価格が上がらない
という現象が起きる
⑦ “本当の有事”ではない可能性
重要なのはここです。
現在の状況は
・局地的紛争
・長期化しているが限定的
👉 市場は「システミックリスク」とは見ていない
※システミックリスクとは
1つの金融機関の破綻や決済不能が連鎖し、金融システム全体、ひいては経済全体が機能不全に陥るリスクのことです。
ドミノ倒しのように信用不安が広がる危険性を指し、大規模な金融危機や実体経済への深刻な悪影響をもたらします。
つまり
金融危機レベルの崩壊ではないため、金の本格上昇には至っていない
現在は有事=金上昇 ではなく
👉 有事 → 原油上昇 → 金利上昇 → ドル買い → 金は抑制
という構造に変わっています。
今後「有事の金」が復活する条件
逆に言えば、以下が起きると金は一気に上昇します:
・米金利が低下
・ドルが弱くなる
・金融危機(信用不安)
・戦争が“制御不能レベル”に拡大
👉 このとき初めて「現金より金」になる状況が起きると考えます。
「有事の金」が効いた局面と効かない局面の違いは、「何が市場の主役」かで決まります。
2008年・2022年・現在は、見た目は似ていても中身が全く違います。
■ ① リーマンショック
▶ 主役:信用不安(金融システム崩壊)
構造
銀行が信用できない
通貨そのものへの不安
金融システムが崩壊寸前
👉 「何を持っても危ない」状態
金の動き
初期:換金売りで下落
その後:爆発的上昇
👉 理由
「現金すら信用できない → 金しかない」
ポイント
✔ 金利 → 急低下
✔ ドル → 一時上昇→その後弱含み
✔ 結果 → 金は長期大相場
■ ② 2022年ロシアのウクライナ侵攻
▶ 主役:インフレ+資源ショック
構造
原油・ガス急騰
供給網の混乱
インフレ爆発
👉 「モノの価格」が問題
金の動き
開戦直後 → 急騰
その後 → 失速
👉 理由
インフレ → 金利急上昇 → 金に逆風
ポイント
✔ 金利 → 急上昇(FRB利上げ)
✔ ドル → 超強い
✔ 結果 → 金は上がりきれず失速
■ ③ 現在(2026年前後の構造)
▶ 主役:金利とドル(流動性支配相場)
構造
地政学リスクは“常態化”
市場は慣れている
アルゴ・短期資金が主導
👉 「とにかく金利とドルが全て」
金の動き
有事でも上がらない
むしろ下落する場面あり
👉 理由
原油↑ → インフレ懸念 → 金利↑ → 金↓
ポイント
✔ 金利 → 高止まり or 上昇圧力
✔ ドル → 強い
✔ 結果 → 金は抑え込まれる
■ 本質(ここが一番重要)
金が上がるかどうかは、
👉 「恐怖の種類」で決まる
● 金が上がる恐怖
金融崩壊
通貨不安
信用不安
👉 2008年型
● 金が上がらない恐怖
インフレ
原油高
戦争(限定的)
👉 2022年・現在型
■ 今回の相場の核心
今は
👉 “危機”ではなく“インフレ付きの不安”
だから、金ではなくドルと金利が勝っている
■ 逆に金が本気で吹くタイミング
次に来るのはこのどれかです!
金利が急低下(利下げ転換)
銀行不安・金融危機
ドル信用低下
戦争の制御不能化
👉 この瞬間に
「2022型 → 2008型」へ変化
本当の“有事の金”復活となると考えます。
首都イスラマバードにイラン代表団は到着。本日にはバンス米副大統領が率いる米国代表団もやってくる予定で、11日から協議が始まります。
その内容を受けて月曜日の相場は反応します。現在チャートも微妙な位置にいます。
国内金 日足

NY金 日足

もう見たら分かるようにエネルギー溜めています。また13日は九星から見ると「不時高下」の日となっています。
「高値の天井かもしくは底かは10日次第。このあたりから動意づいた安値なれば14日にかけて猛烈な買いが起こる。天井の場合は猛烈な下げが起きる」
チャート形状も次の動きを待っています。そんな中での協議です。今回の協議でまとまるとは思えませんが、過激な動きとなるのか明日の協議内容が注目されます。
今回まとめた内容をご参考にして頂ければと思います。
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最後に
丙午年の相場について・・・信じるか信じないかあなた次第です!
コムテックス通信を読んでおられる方は今年最後の第30号で送信した内容と同じですがご了承してください。
2026年は、60年に一度巡ってくる「丙午(ひのえうま)」の年です。古くからの迷信や縁起が語られることが多い年ですが、投資家やビジネスパーソンにとっては「相場がどう動くのか」というアノマリー(経験則)が気になるところでしょう。
丙午年の相場の特徴と、歴史的背景をまとめたコラムをお届けします。
丙午(ひのえうま)の相場格言 激動と「跳ね」の予感
相場界には干支にまつわる格言がありますが、午(うま)年は一般的に「午(うま)は跳ねる」と言われます。
過去のデータが示す「荒れ相場」
過去の丙午(直近は1906年、1966年)を振り返ると、非常に極端な動きを見せる傾向があります。 1906年(明治39年) 日露戦争後の大バブル 戦後経営の期待感から株式市場は空前の高騰を見せましたが、翌年にはその反動で大暴落(明治40年の暴落)に見舞われました。文字通り「跳ね上がった後に落ちる」激しい年でした。
1966年(昭和41年)
証券不況からの復活「いざなぎ景気」 前年の「40年不況」で山一證券への日銀特融が行われるなどどん底の状態から、丙午の年は一転して強気相場へ。戦後最長の好景気「いざなぎ景気」の本格的な幕開けの年となりました。
2. 「丙(ひのえ)」と「午(うま)」の組み合わせ
五行説で見ると、「丙」は火の兄(ひのえ)、「午」も火の属性を持ちます。火と火が重なる丙午は、エネルギーが非常に強く、活気にあふれる一方で、過熱しやすい(オーバーヒート)性質を持っていると考えられています。
ポイント 丙午の相場は、平穏な保ち合いよりも、トレンドが明確に出た際の「爆発力」に特徴があります。
2026年の丙午はどうなる? 現代的視点
次回の丙午である2026年に向けて、注目すべき3つの視点があります。
① 人口統計と経済の特異性1966年の丙午は、出生率が極端に低下したことで知られています。
これが現代では「2026年問題」として、教育業界や労働市場において、特定の年代だけ人口が少ないことによる歪み(2026年生まれが大学に入る時期の定員割れなど)が長期的なリスクとして意識されます。
② デジタル・エネルギー革命の「火」五行の「火」は、現代では半導体、AI、エネルギー、電気自動車などを象徴します。これらのセクターが、丙午のエネルギーを受けてさらに一段上のステージへ「跳ねる」可能性があるという見方も面白いでしょう。
③ インフレとの親和性「火」の属性は物価の上昇(インフレ)とも関連付けられます。デフレ脱却が進む中、2026年は名目成長率が大きく跳ねる年になるのか、あるいは金利上昇による市場の混乱が起きるのか、ボラティリティ(価格変動)への備えが重要になります。
そして当社が扱っています商品相場は・・・
商品・資源相場が荒れやすい
火に象徴されるエネルギーや資源分野は、特に値動きが荒くなりやすい。原油、貴金属、穀物などは、地政学リスクや需給懸念が材料視されやすく、値幅を伴う展開になりがちだ。逆に言えば、トレンドを捉えられれば収益機会も多い年となる。特に供給不安や政治的要因が絡むと、投機資金が一気に流入し、値動きが荒くなりがちです。 強気で挑むか、火傷を避けるか・・・
丙午は、歴史的に見ても「変化の起点」になることが多い年です。 格言通りに相場が「跳ねる」のであれば大きなチャンスですが、火のエネルギーが強すぎると急落の懸念も孕みます。「勢いに乗る勇気」と「過熱を冷めた目で見る冷静さ」。 この両輪を持つことが、丙午相場を乗りこなす鍵と言えるでしょう。
最後にあくまでも今回の記事は好きな方は好きな内容ですが、まったく気にならない方は気にならないと思います。2026年終わった時にコムテックス通信があんなことを書いていたなと思って頂けるかどうかは来年の相場次第ですね。
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